親知らずが役に立つ? 自分の歯を再利用する智歯移植とは

親知らずが役に立つ? 自分の歯を再利用する智歯移植とは

奥歯が虫歯でボロボロになってしまった場合、親知らず(智歯)で代用する「智歯移植」という治療法があります。少し外科的な処置を要しますが、最大のメリットは、自分の歯を使うことができるという点にあります。

まずは虫歯を抜き、親知らずも抜き、空いたスペースに抜いた親知らずを移植します。抜いた親知らずは、根を支える組織が生きたままで、それが移植した部分の骨とくっつくことで固定されていきます。親知らずのサイズや根幹の観察など、正確な判断が必要となるため事前検査には時間をかけますが、保険も適用できる場合もあるので安心です。

智歯移植のメリット・デメリット

メリット

  • 保険適用内で治療ができます(抜歯した日に移植を行うことが条件です)。
  • 健康な歯を削ることなく、自分の歯を再利用できます(移植した歯にかぶせものをする場合があります)。

デメリット

  • 親知らずの大きさや状態によっては移植できない場合があります。
  • 親知らずを移植後、約5~10週間の固定期間を要するなど、すべての治療には約半年かかります。
  • まれに根が骨に吸収され、長年(10年単位で)経過した際、骨か歯かわからないような状態となることがあります。

智歯移植の症例

お悩み 右下の脱離
口腔内の状況 右下6虫歯が深く、保存困難
治療方法 右下6を抜歯、一部歯を支える歯を削り、右下8(親知らず)を抜いて移植(固定)
治療開始年齢 36歳
治療期間 仮の歯まで3か月、最終的なかぶせまで7か月
性別 女性
治療のリスク 10年くらいすると、根が溶けてきたり、骨と組織が置き換わったりすることがある。
費用 今回の症例は審査診断の結果保険適応となりました。
審査診断などのレントゲン代等含めて仮の歯まで、保険で約10,000円、最終的なかぶせ自費で45,000円(税別)。
お悩み 右下の脱離
口腔内の状況 右下6虫歯が深く、保存困難
治療方法 右下6を抜歯、一部歯を支える歯を削り、右下8(親知らず)を抜いて移植(固定)
治療開始年齢 36歳
治療期間 仮の歯まで3か月、最終的なかぶせまで7か月
性別 女性
治療のリスク 10年くらいすると、根が溶けてきたり、骨と組織が置き換わったりすることがある。
費用 今回の症例は審査診断の結果保険適応となりました。
審査診断などのレントゲン代等含めて仮の歯まで、保険で約10,000円、最終的なかぶせ自費で49,500円(税込)。