副医院長ブログ
21世紀の口腔保健戦略の確立に向けて(2)(歯界展望より)
前のブログの続きです
加齢にともなうう蝕の増加は止まらない
「う蝕の主な原因は砂糖である」
う蝕の予防ができないのは、もっぱら、砂糖の摂取抑制が出来てないことにあり、今後の口腔保健の主要な目標派砂糖の摂取制限に置くべきである。う蝕は単一の疾患としては世界で最も有病率が多く、大部分の先進工業国において12歳児のう蝕は減少しているが、なお成人でう蝕経験のないものはわずかである。最も特徴的なことはとりわけ12歳と35~44歳の間におけるDMFT増加の割合が大きいということである。日本では、DMFTは12歳から40~44歳までの30年間に1963年の4.0から1993年の15.6へと3.9倍に1981年の5.4から2011年の12.7へと2.4倍にそれぞれ増加している。このデータが示すように、しか医療は年齢にともなうう蝕の増加を予防することができていない。
う蝕の大部分が成人に生じているという事実は、う蝕の主要な決定要因である砂糖の摂取が十分に抑制されていないからである。
高くつくう蝕の治療費
非常に大きな有病率に加え、う蝕は疼痛、不快感、口腔機能低下、社会的不利など、生活の質の低下として個人にも社会にも影響を及ぼす。それに加え、財政的な負担も大きく、日本においては、総医療費の約7%が歯科医療に費やされている。また、日本では臓器別医療費では64歳以下では歯科医療が最高となっている。
加齢に伴ってう蝕が増加し、高額の歯科治療費が費やされるのは、保険政策に不備があるからである。それは現在の予防対策が十分に機能してないからであり、う蝕の新規発生があれば充填物の寿命も比較的短くなるので、人々が長寿となり、また歯を長く保持するようになると、おのずと歯科医療費を増大させることになる。現在のように保存修復を主とする歯科医療対策を見直し、高齢社会を迎えるにあたり、疾患に原因に対処する戦略への転換が必要である。
要約すれば、虫歯の原因である砂糖の摂取制限をしてないので、大人の虫歯はあまり減らず、今までの政策は虫歯の治療が重要でそれにお金がかかっているので歯科治療に対する医療費は増える。よって制度の転換が必要ってことです。
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